PROLOGUE - 8/12 Fri.
Fri. 磐田市 天竜川沿い 3.8km
TOUR DE SHINSHU 2005、開幕! 雷雨の磐田(旧豊岡村)で始まったプロローグは山根(Team YOUCANスペシャライズド)が制す!
お盆の帰省ラッシュが始まった8月12日、雨上がりで蒸し暑さが増す天竜川べりの会場に全国各地から続々とチームカーが集まってきた。
午後1時、旧豊岡村の宿泊施設駐車場には、前日から宿泊の坂バカ日誌をはじめ、すでに多数のチームが到着している。華やかな雰囲気のなか、カラフルなジャージに身をかため、機材の準備を開始している。見慣れた光景だ。
1998年の開催から第8回目を迎えたツール・ド・信州2005。今年は飛躍的に参加者数が増加し、選手、チームサポート、オフィシャルスタッフ総勢110名という大所帯となった。参加選手は74名。招待選手として参加予定だった橋川健選手(キナン・CCD)は、前日までの発熱がおさまらず残念な不参加となった。
今年は、磐田市でのプロローグと4つのステージによる計5日間の開催。静岡県磐田市から天竜スーパー林道、長野県南信濃村、茅野市を経てクリスタルラインから山梨県へ突入、ラストは富士あざみラインを目指す。大会史上、最も信州の南側を走るコースレイアウトだ。
午後2時半、宿舎玄関にてコース説明会が始まろうとした矢先、頭上がにわかに曇り始め、ゴロゴロと雷が。瞬く間に真っ黒となった空からどしゃぶりの雨!波乱気味の大会幕開けだ。
しかし大粒の雨も次第に雨足がおさまりはじめ、第1走者スタートの午後3時にはずいぶんと小降りになった。
午後3時、ゼッケンナンバー74番・大阪府大自転車部OGの田中がやや緊張気味にスタート。1分後にチームメイトのゼッケン73番・長島が続く。今年は田中と長島の女性コンビが参加したお陰で華やかな大会になりそうだ。
今年のプロローグのコースは天竜川東岸川沿いを駆け抜ける3.8km。昨年の大会はプロローグがおこなわれなかったため2年ぶりの開催だ。また、これまでは勾配のある登りコースが主体だったが、今回はほとんどコーナーのない平坦な直線路を走る珍しいレイアウトであるため、スピードマンによる上位争いが見ものだ。
ファーストスターターの田中の記録は7分29秒、2番手の長島がかぶさるようにゴールし、6分42秒を出した。その後も、スタート順は入れ替わることなく選手が続々と入ってくる。4番手に出た竹林(チーム・エコサイ)が6分ジャストのタイムを叩き出した!竹林の6分を切る選手はいつ現れるだろうか。
しばらく経て、10番目に出走の松浦(阪大サイクリング部)が2秒縮めて5分58秒に。そして13番目、ゼッケン62番の山根(TeamYOUCANスペシャライズド)が切れのよい走りでフィニッシュしてきた。山根は2001年のツール・ド・信州で、当時京大4回生だった小嶋と熾烈な戦いを繰り広げて総合2位になった大会にゆかりのある選手である。4年ぶりに大会に戻ってきた山根を天気も応援するかのように、天空からの雨はあがった。山根のタイムは5分33秒。一気に5分30秒台となった好タイムにゴール地点が沸き立った。
その後、ゼッケン50番台、40番台と選手らが続々とフィニッシュしてくるが、55番の江國(TEAM GIRO)が5分58秒をマークした以外は全て6~7分台。山根のタイムを上回る選手は、この後出てくるのか?
約半数の選手が走り終え、平松(Blanche&SERENO)が5分56秒、続いて今回、選手8名サポート2名の最大勢力参加となったBM SPACEの遠藤、田端も5分55、52秒。残り20名を切って、高梨(なるしまフレンド)がようやく5分48秒。残るチームはVerdad、HOT STAFF、シマノドリンキング、信州連覇を続ける小嶋を擁するTeam-Comrade.comの4チーム16名だ。
昨年の大会上位に名を連ねる選手たちがスタート地点にやってきた頃、再び空に真っ黒な雲がかかり始め、遠くからゴロゴロピカリと雷鳴がとどろいてきた。嫌な予感は的中し、雨がボタボタと落ちてきた(ちなみにスタート地点では最後の2名がスタートするまで晴れていた模様)。
残すところ7名のフィニッシュを待つばかり。記録用紙も湿気てヨレヨレになりかけたところで、エアロヘルメットが精悍な高坂(HOT STAFF)が飛び込んできた。5分44秒、惜しい!HOT STAFFの6名も、続いて入ってきたシマノドリンキングの馬場、春原、白石も山根のタイムは破れず。残すところ、Team-Comrade.comの3名のみ。雨は強烈などしゃぶり。何たる悪コンディション!
ずぶぬれになったゼッケン3番がやってきた。5分42秒、惜しい!続いて入った木下、小嶋も5分50秒台。遂に山根が5分33秒で首位を守り抜き、2005年の幕開けを飾るプロローグ優勝でツール・ド・信州への復活を強烈に見せ付けた。