2nd STAGE - 8/13 Mon.
8/13 Mon.
高山 - 美女峠 - 野麦峠 - 白樺峠 - 乗鞍高原 - 乗鞍岳 109.8km
目指すは乗鞍!いよいよ舞台はヒルクライムのメッカへ! 役者揃いのCOMRADE、畑中、小嶋が活躍!
8月13日、ツール・ド・信州は、岐阜県高山市を起点にいよいよ大会のシンボル的存在の乗鞍を目指す第2ステージを迎えた。
序盤、例によって7時のスタート直後に山本(シマノドリンキング)がアタックを仕掛け、その後、田端(spacebikes.com)も前に飛び出しをかける。さらに満を持した様相で畑中(TEAM COMRADE GIANT)がアタック。「しばらく泳がせよう」という雰囲気が集団に漂うなか、畑中は単独でグングンと差を開け、そのままひとつめの美女峠(カテゴリー4級)をトップ通過し、山岸賞を獲得した。畑中に続く集団から田端が2位通過、奈良(HOT STAFF)が3位、リーダーの小嶋(TEAM COMRADE GIANT)、ナカガワ勢が続く。
勢いのついた畑中はそのまま独走を続け、最大では2分以上の差がつき、集団からも姿が見えない状況になった。そんななか、渡邉(ナカガワAS K'デザイン)と山崎(坂バカ日誌)が追走を開始するが、なかなか畑中には届かない。これまでチームメイトの畑中のおかげで集団で脚を温存できていたリーダーの小嶋(TEAM COMRADE GIANT)や田端もいよいよ動き出した。野麦への入り口から10kmが経過した47km地点、いよいよ畑中が追走の小嶋、田端、渡邉につかまった。最後は小嶋、畑中、田端のスプリントとなり、畑中が先輩の小嶋に譲られる形で喜びの奇声をあげながら先頭通過した。4位には野麦の途中からスピードを上げてきたレイノルズ(ねこのじてんしゃ屋さん)が、続いて入江(シマノドリンキング)、そして小原、川崎、渡邉のナカガワAS K'デザインがまとまって峠を通過した。
野麦峠を越え、次に待ち受ける白樺峠に向かう小嶋、畑中、田端。やはり畑中の消耗度合が著しい。75km地点を超えたところでチームメイトの貢献を受けながらタイミングを計っていた小嶋が、白樺への登り中盤で遂にひとり前に抜け出し、田端の追随を許さず単独走行を開始した。後方では、レイノルズと小原、渡邉のナカガワコンビ、そして入江がローテーションをうまくまわしながらトップを追走し、そこからさらにレイノルズが「自分のペースで」他を引き離して前に出始め、じりじりと畑中、田端にせまり、ついに二人をかわして2番手に躍り出た。
白樺峠は、小嶋が先頭通過、続いてレイノルズ、田端、畑中、小原、入江、渡邉、川崎の順で通過。ピンクのナカガワジャージがトップ5,7,8に詰めて、チームの存在感を強烈にアピールしている。
ステージ最大の山場となる乗鞍が近付いてきた。澄み切った青空が乗鞍の雪渓をくっきりと際立たせ、これ以上ないと言えるような絶景が小嶋を迎える。小嶋は淡々とした表情で慣れた乗鞍の坂を登っていく。後続のレイノルズとは徐々に距離が開きはじめ、勝利確実といった風情を漂わせている。後方では、白樺通過時には7位になっていた渡邉が、チームメイトも驚く小気味良い走りでどんどんチームメイトや入江、田端をかわして乗鞍のラスト5kmでは遂にレイノルズに追いついた。
小嶋が小さくガッツポーズを見せて県境のゴールにたどり着いた頃、渡邉とレイノルズは2位争いを展開。「脚がつりながらも攻防した」というレイノルズ、結局、スプリント合戦になり、乗鞍のコースに強く勝負に秀でた渡邉が競り合いの末、2位をものにした。4位は前日の足の痛みがラクになったという田端が入り、続いて小原、入江、稲益がフィニッシュ。ナカガワ勢は8位の川崎を含めて3名が上位に入り、総合1位をキープ。COMRADEのパフォーマンスに対し、堅実な走りとチームワークでピンクジャージの強さを最後まで見せ付ける形となった。
畑中(TEAM COMRADE GIANT)
今日は首尾よく玉砕できた(笑)。昨日39位というとんでもない成績で、苦手な平坦も多いし熱中症にもなったから、信州のステージを走りきる力は自分にはまだないと悟った。だから今日は最初の峠をとにかく取ろうと決めた。田端さんが逃げ始めたから「行くなら今だ」と思った。野麦を登り始めて追っ手が来ているのが分かったが、なかなか来ないから徐々に欲が出てきた。野麦の最後は、スプリントになったが、小嶋さんに譲ってもらい、取ることができた。そのまま白樺の4位までキープできた。自分は、むちゃくちゃやっているようで、実はしたたかに計算高くやってるんですよ(笑)。二週間後の乗鞍に出るけど、今日は優勝タイムの二倍かかった!でも、自分としては燃焼できたし、去年よりもスピードが付いたし、総合力は上がっていると思う。明日からの目標は、フルディスタンスで活躍はできないが、序盤あるいはどこかで戦いをかきまわしていきたい。
小嶋(TEAM COMRADE GIANT)
チームの作戦は基本的には立ててない。そういうものは、走っているうちに展開で決まってくるもの。例えば今日は、畑中が前に出たおかげで集団に中だるみができて、自分は脚をためることができた。アタックのタイミングや方法は日によって違うが、今日は現在地と残りの距離を計算して飛び出した。渡邉が前に出ていたので、野麦あたりで追いつかないと残りがないな、と。最近歳をとってきたからひとりでいく時間を計算するようになった。昔は行けたら全部行ったけどね(笑)。ナカガワがステージでも勝つとか言ってるようですが、それじゃ、うちもこれからミーティングして狙っていく!小原はかなり脚を使っていたはずだけど、第2ステージではあまり前に出ていないから脚があるかも。そうなるとピンチですね。今の作戦では、ナカガワとの総合差をつめるためにひとりノルマ2分。1分千円の罰金で縮めるつもり。金のない稲益は必死になるでしょうね(笑)。
レイノルズ(ねこのじてんしゃ屋さん)
一回目の登りから集団のペースが速く遅れそうだったが、何とかペースが落ち着いたのでよかった。早いうちに何人か逃げて、小嶋やら早すぎるから一緒に行くのはあきらめたが、自分はできるだけ脚をセーブしながら2位、4位のナカガワを見て走ろうと思った。野麦をナカガワの選手3人と入江と一緒に走ったが、良い感じでローテーションできた。その後は自分のペースで走り、白樺で単独で前に出た。乗鞍では、小原に追いつかれると思ったけど、ゴール手前5kmぐらいで渡邉に追い付かれ、顔が違うから少し驚いた。最後は脚がつりながらも一緒に走り、お互い前に出ようとしたけど空気が薄くてしんどくてなかなか抜け出せなかった(笑)。明日からの目標は・・・完走。できれば総合順位を守りたい。小嶋は強すぎてタイムは縮められそうにないけど、できれば2位を守りたい。ナカガワの3人に置いていかれないよう頑張る。
渡邉(ナカガワAS K'デザイン)
実は第1ステージが終わった後、壊れたフレームを取り替えるために特急に乗って大阪のナカガワのショップまで自分で行った。そして新しいのと交換し、夜に戻ってきた。社会人で走っているので、そんなハードスケジュールにも強くなった。昨年、社会人として大会に出て、走りのスタイルを考えるようになった。学生の頃は全開で走っていたけど、今はポイントを付く走り。今日は最後の乗鞍に焦点を当てていたから、序盤は無理せず「ここで付いていける」という場所でも控えめに走っていたところがある。乗鞍では石畳の部分に入ったら一気に行くつもりで計画を立てていた。コースを知り尽くしている強みが自分にはあり、そのおかげでチームメイトにも安心感を与えられるようだ。乗鞍で登っていくとザックが見えてきて、最後はスプリントで2位に入れた。COMRADEは、頭を使って走っていないから、うちはチームプレイで明日、明後日のどちらかでステージ優勝を目指し、総合1位をキープしたい。
小原(ナカガワAS K'デザイン)
序盤は集団の前にいて、川崎らと共に走っていた。小嶋が前に出たときは、一緒に行ける雰囲気じゃなかった。小嶋は、急で見通しがいい場所で少しずつペースアップして「付いてこれる人は付いてこい」といった感じでアタックしていくから、付いていけないことがショックを感じる(笑)。白樺あたりでナカガワ、ザック、入江でずっと走っていた。入江がえらくよく走っていて、結構長い区間一緒にいた。乗鞍は、逆からのコースは走ったことがあるので、今回のコースは長かった!乗鞍での渡邉さんの強さにビックリした。明日からの目標は、総合2位、ステージを取ること、そしてチームとして総合1位を守りたい。
川崎(ナカガワAS K'デザイン)
最初にペースアップをした田端さんに付いて畑中を追った。前に渡邉もいたし、集団には小嶋がいたから、畑中になかなか追い付けないこと自体は、あまり気にならなかった。結果的に畑中を吸収しなかったが、集団を絞る効果はあったと思う。序盤から前を走る理由は、チームをアピールすることと、練習として出るからには積極的に走りたいから。白樺で切れたけど、乗鞍では絶対に一緒に行こうとチームで決めていたから必死で走りましたね。渡邉がザックをかわして2位になったと聞いたときは嬉しかったですね。今日は帰りに蕎麦屋で明日からの戦略を立てた。自分がたれたせいで総合タイムが伸びて少し落ち込んだが、明日以降も頑張りたい。