HISOTRY 2002

選手レポート - 町田広

第1ステージ
作戦:序盤は昨年の第2ステージと同じコースを走るこのステージ。大きな先頭集団が形成されると予想した。そこで、悪名高き「船山」までは集団の中で心拍数160-180で走り、船山を心拍数180-200で頑張ることにした。
内容:最初の峠、地蔵峠で5人の先行を許してしまった。第2集団で船山の麓まで走ったが船山では脚が動かず追い込めないという、情けない走りであった。
事件:「人間の器」
第2集団で長峰峠を下っていると誰かがアームウォーマーを落した。集団の一番後ろを走っていた私は拾いに戻ろうか迷ったが、きっとスタッフの人が拾ってくれるだろうという「他人任せ」の希望的観測で戻らなかった。しかし京大2回生の細川君は拾いに戻った。この時、自分の人間としての器の小ささと細川君の大きさを感じ、自分自身を恥じた。

第2ステージ
作戦:阿部さんにつけるだけついていく。
内容:最初の峠、平湯峠は斎藤さん(フーバー)の逃げが決まった。私は阿部さんの集団で登ることができた。しかし次の峠、安房峠で遅れてしまった。その後乗鞍で挽回したが、ダメ男の評価を揺るぎないものにするのに十分な走りだった。
事件:「チェックポイントアタック」
この日のチェックポイントは平湯峠を下ったところだった。ここで阿部さんは名前とゼッケンだけ叫んでほとんど止らなかった。ここで補給食を補充する予定だったが、この「チェックポイントアタック」に反応せざるをえないので全く補充せずに出発した。乗鞍では腹が減って堪らなかった。

第3ステージ
作戦:ビーナスラインは集団で走った方が有利なので、何とか美ヶ原まで先頭集団に喰らい付く!
内容:武石峠はとにかく阿部さんに暗いついていこうと無理をした。呼吸を乱しながらの根性の走りだったが白石君のアタックで完全に遅れてしまった。美ヶ原の登りは完全にグロッキーになり、追いつかれた集団からも10分遅れた。その後多少回復して前を追えたが、先頭を争う選手達との力の差の大きさにただ凹むばかりであった。
事件:「深呼吸」
あまりに呼吸を乱して走っていた私に阿部さんがかけて下さった一言。
   「深呼吸をしろ!」
第4ステージ
作戦:序盤の平地でチームメイトの山本さんと逃げを決め、行けるところまで逃げる!中堅選手がついて来てくれたらラッキー。目標は信州峠まで。そして大弛峠の麓まで集団に喰らい付く。大弛峠は気合で登る。
ちなみに、このアタックは、第2ステージの斎藤さんのアタックを見た時に決めた。スタートしていきなり登りのステージはなかなか逃げを決められないが、平地なら逃げが可能であることが分かったからだ。前日に山本さんに打ち明け、協力してもらうことにしたのである。
内容:序盤の平地で予定通り逃げを決めた。メンバーは町田、山本、高橋君(京大)、細川君(京大)。馬越峠を登る。ここはなるべく多い人数で登りたかった。下りは細川君に、登りは高橋君に、そして全てを通して山本さんに協力してもらって信州峠の麓まで行きたかった。そして信州峠からは1人で行こうと思った。しかし、集団が50秒弱に迫ってきた。振り向くとすぐそこに見えていた。そこでペースを上げた。すると京大の2人は切れてしまった。山本さんには最後の力で引いてもらい、そして切れていった。あとは1人で行くしかない!集団との差は再び広がり、峠をトップ通過。しかし下りで阿部さん達に追いつかれ、信州峠の登りで置いていかれた。
その後も前に追いつくことを諦めずに単独で走り続ける。単独走行は大弛峠の登りの途中、金峰牧場の手前まで続いた。しかし、ここで悪夢のダブルパンク!さらに修理したタイヤがパンク!完全に気持ちが切れてしまった。パンク修理に30分ほどかかり、結局サポート車から車輪を借りて走ることにした。が、切れた気持ちは修復できなかった。
事件:「\120+1分の高価なボトル」
乙女高原から牧丘町へ下ると気温の急上昇と供に体温も急上昇!受け取ったばかりのボトル2本をたちまち飲みきってしまった。このままでは脱水症状になってしまう。後ろの集団とは2分差。時間をロスしても飲み物を得る必要を感じ、自販機でスポーツドリンクを買った。ロスタイム1分。集団に後ろ姿を見せずにボトルに移すことに成功した。

最後に、この充実した5日間を用意してくださったスタッフの方々、全力を出して競い合った選手の皆さん、その他様々な形でツールド信州を支えてくださった全ての人に感謝の意を表してこのレポートを締めます。
どうも有難う御座いました!

セレーノA&Tヤマダレーシング  町田 広