曲芸乗りのチャンピオン
様々な方の努力により、立命館大学びわこくさつキャンパスで第1回全日本学生クリテリウムが実現した。
この初めてのタイトルを手にした大内薫が集団から飛び出すと、見る見るうちに差が開く。
スピードだけではない。
体を外に倒した独特のフォームで極限まで自転車を倒して曲がってゆく。
このコーナリングに、誰も付いていけない。
僕はハラハラしながら、曲芸乗りのチャンピオンを見守った。
コース脇には、僕が秋につけた血糊がうっすらとしみになって残っていた。