PROLOGUE - 8/14 Tue.
ツール・ド・信州2001、熱烈開幕! 小嶋、3連破へ熱き疾走山根と同タイム首位。
立ちはだかる幾つもの峠に挑む勇者達が今年も信州にやって来た。ツール・ド・信州2001は8月14日、悠々と流れる天竜川をのぞむ長野県下伊那郡でのプロローグを皮切りに幕が切っておとされた。
4回目を迎えた今年は、最大勢力の京大自転車競技部8名をはじめ筑波大学代表3名、大阪大学自転車競技部2名、埼玉大学、東京大学、徳島大学、京大BOMB各1名の学生選手17名、社会人からは坂バカ日誌2名、ペアラレーシング、クラブアングル、フーバーネットワーク、Vitesse、セレーノA&Tヤマダレーシング、Verdad各1名の8名という史上最多25名の選手と14名のスタッフ、総勢39名による大会となった。今日は地元テレビ局である長野放送の取材陣も駆け付け(本日6時のニュース番組にて放映)、レースに華を添えた。
ジリジリと焼けるような暑さのJR飯田線平岡駅。車、あるいは輪行で昼すぎから続々と選手が集まってくる。スタッフ同士の顔合わせとミーティングも終え、灼熱の空の下をレーサー達がウォーミングアップを始めた。とたんに流れる汗が厳しいプロローグを予想させる。
プロローグは中部電力平岡ダムを起点に県道1号線を天竜川ぞいに北上する2.8km。絶えまなく続くコーナーと小刻みなアップダウンが繰り返され、テクニックとペース配分が試されるコースだ
2時ジャスト、ゼッケン25番・紫芝(Verdad)がコースに吸い込まれていく。2番手スタート予定の山根(セレーノA&Tヤマダレーシング)は渋滞に巻き込まれスタートは特別措置によりラストの小嶋の後になる。その後は1分ごとに各選手がスタート。初出場の社会人選手が緊張感をたたえながらペダルを踏む。
1番手にフィニッシュした紫芝のタイムは5分05秒。まずは5分の壁突破が選手の目標だ。最初の4分台は「もっとフィニッシュが遠いと思い力を残してしまった」と言いつつも渡辺(貴.徳島大)がマーク。さらに町田(埼玉大)が4分48秒を出して7番手スタートで暫定トップに踊り出る。その後、各選手が町田の記録打破を狙って力走するも、唐木(筑波大)と寺本(ペアラ)が前述の渡辺と同タイムで町田の2秒差に迫る5分50秒を出すのが精一杯。接近戦を予想させる今年の信州だ。
残り9名の出走を控え、昨年総合2位の矢澤(京大BOMB)がスタート。研究と院試準備で疲労気味という矢澤だが、ここで4分36秒の最高タイムを叩き出した。「不調だから逆に力まず走れたのが幸い」(矢澤)。
残るは、今年、学連レースで好成績を出している京都大学自転車競技部の選手だ。初めてステージレースに挑戦する京大ニューフェイスの細川、古賀、山本も力走。フィニッシュ後は言葉を発することができぬほど消耗した様子。早くもTD信州の洗礼を受けたようだ。
最近、スプリンターの頭角を表しつつある松井(京大)が期待通りの走りを見せるが矢澤には及ばず、いよいよディフェンディングチャンピオンの小嶋がゼッケン1番を付けて登場。
全身に汗をたたえながら、弾けるような筋肉で序盤の下りコーナーを疾走する小嶋。「最もキツいのぼりで一度インナーを使ってしまった」と言いつつも、矢澤を2秒上回る4分34秒でフィニッシュ!やはり小嶋の独り勝ちか?!
ラスト、渋滞でかろうじてスタート地点に辿り着いた初出場の山根(セレーノ)が、スタート。序盤からイーブンペースで冷静な走りを展開。「遅刻したことで試走できずアップ不足となり、守りに入った走りだった」と言いながらも全コースをアウターで制し(ほとんどの選手がそうだったらしいが)見事、小嶋と同タイムでフィニッシュ。残念ながら正規スタートではないためリーダージャージは小嶋に渡ることとなったが、明日からのレースを面白くさせる選手がまた新たに信州に加わったことを実感させた。
きょうのひとこと
小嶋:修行不足です
渡邊(て):車につまった
松村:眠いです
松井:もっと短い方がいいです
矢澤:スタート後、脚が重くて辛かった
唐木:疲れました
藤田:難しいコースだった
町田:ペース配分考えず全力を尽くした
山岸:余裕です。明日からはバッチリです
笹井:ペース配分間違えました
山根:遅刻して最後に走り申し訳ない。アップ不足。明日からは頑張ります
紫芝:疲れました
(コメント収集:近藤知里)