OTHER RACES 2001

第9戦 11月4日(日)

開催日11月4日(日)
開催地京北町 Aコース 約55km
スタート時の天候 晴れ
出走者16名 完走者15名

品川、無念のノックアウト!矢澤周山2勝目を挙げる

 ご無沙汰でえーす。2001ロードシーズンもそろそろクライマックス。毎週のようにレースがあった8、9、10月とお休みしていた周山ロードがひさびさに開催。11月4日、晩秋の樹々が色づく京北町に16名のロードマンが各地からぞくぞく集まった。

 シーズン最終戦となった第9戦の今回、シリーズリーダーの小嶋は国体も終了してすっかり心はオフだとか。インカレ優勝の賞味期限が切れる前に彼女を作ろうっちゅー魂胆らしく、レースは欠場。おまけに京大競技部勢は、恒例のセンヤ農園・柿がりバイトに上回生らが駆り出されたため、今回は松村、矢澤、細川、山本の4名という少数精鋭。しかしながらその空席を埋めるべく、京大サイクリング部からはプチ小嶋とニューフェイス田中、フーバーからはおなじみ走る企業戦士・東後とミスターシクロクロス・笹井、さらにクラブアングルから平井、品川のピチピチ少年コンビ、アングルあらためピレネーからは花岡・吉田のシブ目コンビが登場。さらに初出場が続出し、ルパンから近江、FUKADAまじりんぐからは紀平、シマヅレーシングからは栫井(かこい)&阿部の両選手が戦いに挑んできた。そしてそしてスタッフにはチョコレート供給娘・どりみんと、今回、こんこんの幼なじみ&現仕事仲間のアニメおたく・おーにしが周山デビューを果たしたのであった。

スローペースを破ったプチ小嶋。最初の井戸は品川、矢澤が一騎打ち。

 本日のコースはAコース。井戸峠を4回越えて狭間峠でフィニッシュする約55km。10時40分、北風吹きすさぶ寒い寒いなか、みんな凍えながらスタート。スタート直後、「あ!しもた!靴まちがえた!」と叫ぶ声が。なんと直前まで駐車場でクロスバイクをかついでシクロの練習に励んでいた笹井がレーシングシューズに履き替えるのをすっかり忘れ、スニーカーで出走!しかし叫んでもあとの祭り。笹井は「トホホ」とボヤきながらも割り切った様子でひとり奇妙な足元のまま戦いの渦中に飲まれていった。

 井戸峠までの平坦路は、これまでにないスローペース。そのなかで、上照皇寺手前あたりからプチ小嶋が積極的に前を引き出した。峠に入っても依然としてプチ小嶋が前に出る。さらにひとつめの峠賞「えび太」(えびせんべい)を提供した東後も前に出る。しかし、さほど集団はバラけず峠なかほどまで淡々とした雰囲気。あわや東後が自分のえび太をゲットか?というところで矢澤、品川が先行し始める。と、ここで出力アップした品川の「ほんの5踏みで」(byこんど)集団が一気にバラけ、それに喰らいついたのは矢澤一人。峠の後半に差し掛かって品川と矢澤二人によるバトルとなり、遂にえび太を手にしたのは矢澤であった。続いて近江、笹井が10秒差、幾つかのグループがそれぞれ10秒程の差を開けて通過する。「ハアハアハア」・・・えび太提供の東後の息が荒い。ジャパンカップ上位の平井は集団後方で調子が悪そうだ。

【1st 井戸】矢澤・品川 - - 10s - - 近江、笹井 - - 紀平、小嶋、松村 - - 45s+TOP - - 吉田、阿部、田中、東後、栫井 - - 平井、山本、細川、花岡

 2周目に入り、矢澤と品川は徐々に後方との水をあけていく。1分半の差で追う笹井と近江にプチ小島が追いついた。さらに背後には紀平が単独走行。後方は松村、吉田、平井、東後、田中、細川、阿部の7人グループにまとまった。その後ろを栫井(かこい)、さらに後方に山本、そして花岡が必死で走行する。

 2つめの井戸峠に差し掛かった。淡々と峠に突入した品川と矢澤だったが、登り中腹から品川がスパート。反応しようとした矢澤だったがこれにつけない。急傾斜となる直線の登りで一気に二人の差は開き、峠では40秒差となり品川がトップに踊り出た。3番手には「スニーカーはキツイっすよー」と嘆きながらも笹井が軽快にやってきた。どうも調子が良さそうだ。

【2nd 井戸】品川 - - 40s - - 矢澤 - - 1m15s+TOP - - 笹井 - 1m30s+TOP - 近江、小嶋 - - 2m15s+TOP - - 松村 - 吉田、阿部、田中、東後、平井、細川 - - 栫井 - - 花岡

品川、早くも単独疾走開始!矢澤、笹井の追い上げなるか?

 残念ながら、ここで京大競技部1回生の山本は膝の痛みでリタイヤ。3周目に入ったが、依然として品川が逃げている。引き離された矢澤は笹井、小嶋、紀平と合流しセカンドグループを形成。近江はこれに付けずに単独走行を強いられる。30秒遅れて松村、東後、阿部、田中、細川。阿部以外は京大OBと京大1回生。きっと実践レース講座が開かれているだろうとスタッフは予想していたが、なんのなんの「いかに後輩に負けんようにするか必死だった」(byまつむら)とのこと。こちらもこちらで激しい戦いだったのだ。さらにその後ろには、ひとりぼっちの栫井(かこい)が寂しそう。「オネガイひっぱってー」と懇願するもむなしくサポートカーに抜き去られ、結局フィニッシュまでひとりぼっちであった。

【3rd 井戸】品川 - - 1m30s - - 矢澤、笹井 - - 1m55s+TOP - - 紀平 - - 小嶋

 3つ目の井戸も、淡々と品川がトップ通過。続いて二人になった矢澤と笹井が1分半差で到来。紀平、小嶋はバラバラに遅れてしまった。一時は2分近くまで後続と差を開けていた品川だが、下りが大得意の矢澤&笹井コンビがセットになって弾丸のごとく峠を下り始めた。一方、単独走行になってしまった紀平だが、お友達による応援サポートカーが彼を追っかけ、要所要所でギャル(?)がカメラを構えて黄色い声援を送っているので、全然寂しそうじゃない様子。周山ロード始まって以来、初の光景である。いやー、周山もメジャー街道まっしぐらだにゃあ。

 そんなこんなで、最終周回に突入。ベビーフェイスに似合わぬ鋭い走りで颯爽と秋の周山をひた走る品川は、ラストの井戸峠も独走を守り抜いてトップ通過。し・か・し、し・かぁ~し、矢澤に笹井というタフガイコンビは二人になってからパワー増強した模様。井戸では品川に30秒差までせまり、しかも下りでやっぱりなあーの猛スピード!遂には井戸峠を下った広い直線路で品川の姿が視界に入る所まで接近。微妙な距離をキープしたまま狭間峠への街道へと差し掛かった。

 そしてラストの狭間峠。なんと品川の走りが急変し、一気に失速し始める。「は、はんがーのっく・・・」。朝ご飯をちゃんと食べたけど、補給食を用意せずに自走で周山まで来てしまった、しなしな。なんと最後の最後で不覚にもハンガーノックに見舞われてしまっちゃった。「なぜかドンブリ物ばかり頭に浮かんで辛かったデス。ショボン」とはレース後談。最後は、意気揚揚と峠をグイグイ登ってきた矢澤にフィニッシュ直前で捕らえられてしまう大ドンデンガエシ。フィニッシュ後は収容車につめこまれ、サンダイコーにてようやく息をふきかえしました。前半からの独走が立派だっただけに残念!

 そして、見事な追い上げで幸運を引き寄せ、優勝に輝いた矢澤。待望の周山2勝目をあげ、「笹井さんとの協力体勢が良かったです」と満足げ。そして、ふらふらになってフィニッシュした品川からほんの5秒差、「スニーカーじゃなかったら勝てたのにぃー」と悔しがる笹井が3位入賞。4位は、序盤から果敢な走りを見せたプチ小嶋、5位は応援に支えられた紀平、6位には何とか先輩のメンツを保った松村が入った。

 ハンガーノックあり、スニーカーあり、黄色い声援あり、と賑やかだった周山ロード第9戦。2001年シーズンはこれにて終了。そんなわけで、シリーズチャンピオンは小嶋洋介(京大競技部)に決定しました。小嶋選手には韓国が生んだ「秘蔵イエス・ノーこけし」トロフィーが贈られます。

 選手のみなさんもスタッフのみなさんも、今シーズンほんとにお疲れさまでした。次回、周山ロードの日程は年明けに発表します!来シーズンも周山ロード&ツール・ド・信州で熱い走り、激しいアタックを見せてください!

次回は来年お会いましょう

 今回を持ちまして、周山ロード2001シーズンは閉幕です。総合ランキングを振り返ると、同じ今年とは思えないようなたくさんのレースがあったことを思い出します。次回は来シーズン、2002年に開幕予定です。お楽しみに。

 選手、スポンサー、スタッフ、ギャラリー随時募集中。参戦レポート、観戦記、投稿まってます。 (レポート:近藤令子)