OTHER RACES 1999

第4戦 2月20日

~第4戦~
開催日 2月20日(土)
開催地京北町周辺 Aコース 4km+13.6km×2周+11km=41.6km
スタート時の天候 雪! めちゃさむ
出走者9名 完走者9名

2人の主将が初参加!オール京大対決だ

世の中、こよみの上じゃあ春らしいが、京北町はまだまだ冬。はやくも4戦目を迎えた周山ロード。しかしこの日も朝から「さぶいよー」状態。「うう、今日もBコースやったら3戦連続になるぅ。マンネリ化は困るぜ!」とオーガナイザー近藤は朝からそわそわ。先週オフィシャルカードライバーを風邪でブッチしたマドモワゼル森下と取材班手下・岡崎、そして毎回わけも分からず連れてこられる大会キャラ・しなもんもん(犬)を乗っけたインプレッサはスタート1時間前にAコースの山岳ポイント・井戸峠頂上へ向かう。ずんずんずんと峠を進むうちにコースサイド左右の雪が増えてくる。「ううーん」頂上の路面は微妙なシャーベット状態。一瞬なやんだ大先生だが「これならやれる、Aコースを使おう!」とマンネリ化打開へ向け強行突破を決意。「よぉ~し、オレの熱い視線で溶かしてやるぜ(ゴオォーッ)!」と近藤マジックを使うわけではなく、「あとで道を掃除しよ」とまともな案を出し一同をがっかりさせてサンダイコーへ下山したのであった。

 第4戦の参加者は、東後、西村、小嶋の京大自転車競技部の常連メンバーに加え、主将の井上が初参加!そしてさらに京大BOMBの常連選手・寺本、松村、高橋、矢澤に加え、前回「できちゃった欠場(注:腹に石が)」で痛恨の不参加だった平田が苦しみを乗り越え遂に登場!「初めまして。ボク、平田です」なんて笑顔で岡崎に挨拶するあたり、さわやかすぎるぜ平田!ってなわけで出走は9名、オール京大対決だ。先週は職人レーサー・岡崎和也を迎え派手な色合いとなったが、本来のメンバー構成に戻ったといえる。真っ白だったリーダージャージが前日、オーガナイザーの手によって大会ロゴとスポンサー名がアイロンプリントされ、レースリーダーの東後が袖を通していよいよ本格的なノリである(あっちん、お洗濯はソフト洗いでネ)。

 今回、スタッフはちばあつこがデートde欠場、新たなビデオ要員に東後のマブダチ・壇上なる男が登場した。聞けばロードレースマニアの極みらしい。ひげづら、髪ぼおぼお、乗ってるクルマは母ちゃんのオプティ・クラシック。不気味な男である。

東後、戦慄のメカトラ!序盤は小嶋、高橋が先行

 サンダイコー駐車場に雪が舞い降り始めた。寒い。3分前のカウントダウンが始まった、とその時、「ガチャガチャ」と不吉な音が東後のマシンから鳴り響く。どうやらディレイラーの調整不良らしい。カウントダウンを中断し、東後を取り囲む一同。周山ロードの魔物はやはり今回も姿を現した。「どうしよ、出走できへんかったら」周囲のそんな声に「おおー、燃えてきたぁ!」と喜びを隠さぬ大男がひとり。そう、毎回東後の背中ばかり拝み続けている小嶋である。なんちゅうあけすけな奴。しかし小嶋の喜びも束の間、何とかトラブルを解消し、安どする東後を見届けたオーガナイザーによってスタート時間は2時11分となり、ランニング途中の地元中学生ギャル達の黄色い声援(?)を受けつつ選手団はスタートした。

 スタート直後、まさに直後から小嶋、高橋の2名が先行。東後のメカトラで狂喜乱舞するも当てが外れた小嶋、やけくそのスパートか!?一時は視界から消えるほどリードする2名。しかし峠の手前で集団が2名をとらえる、と直後、高橋が最後のあがきのように再び単独アタックを試みるがあっけなく吸収されてしまう。

矢澤、アタック!さらに西村がスパート

 1回目の山岳ポイントをめざして井戸峠に突入した選手団。東後、西村、小嶋、矢澤、松村、高橋、平田の順でヒルクライムが続く。寺本、井上が遅れを取り始める。登りのせめぎあいの中から最初にアタックを仕掛けたのは矢澤だ。「とにかく目立って近藤さんの写真に収まってやろうと思って」という明解な動機のもとしばらく矢澤が独走する。しかし峠中腹から満を持してのスパートは、小嶋と並ぶ競技部のホープ・西村だった。無論それに反応するはレースリーダー・東後だ。しかし、これまでになく力強いペダリングで頂上を目指す西村は東後を15秒差で引き離して1回目の山岳ポイントを獲得。バラバラとなった集団、ポイント3位通過は実力を上げる松村、続いて小嶋、やや間が開いて高橋、矢澤、先頭から1分差で平田、寺本、1分30秒差で井上の順となる。早くも遅れた初参加の主将2名にとっては辛いレースとなる。「さすがに毎回参加してる奴は力が付いてる」とオーガナイザー近藤が分析する。

アベック×3つ+平田+井上=ぬぬ、てらりん消滅!?

 2周目、スタートから30分経過。ここで集団は東後&西村、40秒差で小嶋&松村、続いて高橋&矢澤とアベックが3つ出来上がる。後方では平田、井上が苦しい走り。ここで数字に弱い岡崎でも気付いた寺本の不在。リタイヤにしてはあまりにも早すぎる。何かあったのだろうかとスタッフは心配する。先頭を行く東後と西村はハイペースの走りでコンスタントに後方集団との差を広げている。淡々と西村を引く東後、対照的に息あらく表情をゆがめて走る西村。井戸峠に突入した先頭2名の様子は「いつ西村が切れるか時間の問題」となってきた。しかし、苦しさを全面に出して走る西村を東後は振り切ろうとはしない。西村もそんな東後に応えようとしてか、必死で東後の背中にくらいついて離れない。「ハア、ハア」という西村のあえぎがオフィシャルカーにも届いてくる。そして頂上到達直前、西村が東後をやり過ごして渾身のスパート!2度目の山岳ポイントを根性で奪取し、東後を従えダウンヒルへと移行した。どうやら東後はこれまでと戦法を変え、最後の最後まで西村と運命を共にするらしい。トップ2名が通過してから1分20秒、ようやく小嶋、松村が頂上通過、さらに1分後に高橋、矢澤の両名が通過していく。この時点で優勝争いは西村、東後の両名に絞られた。注目すべきは小嶋に追いすがる松村の力走である。さらに高橋、矢澤の序盤に足を使った者同士の争いも興味深い。番外編としては、平田、井上の両主将によるブービー対決もあるのだが…(てらりんは何処へ!?)。

周山ロード初勝利!先輩にいざなわれ限界へ挑んだ西村

 最終周回。トップは依然として東後、西村の2名。一昨年、ジロ・ディ・イタリーを視察し、ますますレース眼に磨きをかけたというスタッフ初参加のドロミテ・壇上(注:ドロミテとはヨーロッパの山塊。今回、井戸峠の頂上ひとつ手前の風光明媚なカーブの眺めを目の当たりにし「おお、これぞドロミテ!」とオペラばりに絶叫してマドモ運転のオフィシャルカーをあやうくコースアウトさせかけた経緯がある。おっと長すぎてゴメン)が分析する勝利の行方は「やはり、ラストの登りで東後が仕掛けるだろう」という誰もが納得する展開。王者・東後はいつ、何処で勝利への独走を始めるのか。

 いよいよ最後の山岳ポイント、井戸峠に突入。ここで西村の疲労は極限に達したように見える。中腹から徐々にペダリングの威力がなくなり、遅れを取り始める。最後からふたつめのコーナーで失速し「西村、遂に終わりか!」と思わせるが、しかし東後は西村を奈落の底には落とさない。再び東後の背後に付いて息をふきかえした西村、最後の山岳ポイントも必死の走りでゲットし3ポイント連続でものにした。

 いつのまにか雪は降り止み快晴となる。しかし風強く、気温は低い。2名から遅れた後方の選手達にとっても過酷なレースが繰り広げられている。さあ、いよいよフィニッシュ地点の狭間峠だ。登りにさしかかって予想通りに東後が先行する。全身の力を振り絞り東後を追う西村。陽の射さぬ林道ピーク、凍える寒さのフィニッシュ地点に最初に到達したのは、先輩・東後にいざなわれ、恐らく自分の限界のさらに上の苦しみを体験した競技部1年目の西村だった。「西村、よくやった」そうつぶやきながらの同タイムのゴールは東後。前回までは圧倒的な強さ、独走を見せつけることでレースというものを身を呈して後輩に教えた東後だったが、今回は西村を自分のもとで泳がせ、自分を追い込ませながらレースのノウハウをたたきこんだといえる。西村は「本当にキツかった。全てにおいて勉強になりました」とレース後、東後に感謝し、東後は「1周目の山岳をとった時点で西村が勝ったようなもの。彼のセンスの良さを伸ばしてやりたい」と奮闘した後輩を讃える。彼の逃げを毎回楽しみにしているファンにとっては残念な結果だったが次なる機会を期待したい。フィニッシュタイムは1時間21分06秒。2名に遅れること実に4分25秒で3位は小嶋、続いて大健闘の松村、5位はラストスパートで高橋を「へへん!ちぎったった」矢澤、矢澤にちぎられ6位となった高橋は「く、悔しい…自分がこんなに遅いなんて」と地団駄を踏む。そして7位は主将対決でみごと井上を破った平田、おっと8位は途中で消えてた寺本だ「あああっと、1周目の狭間峠の手前で道まちがえて…」わお、てらりん、やっぱりそうだったのね。と、いうことで9位はへとへとの井上京大自転車競技部主将だったのでした。主将、がんばれよ!

次回2/27は冬季最終戦だ!

 賞金3,600円とサンフーズ(中西さん)提供のペプシコーラ1箱をゲットしてご満悦の西村。2位の東後にはSTUDIO NOMADよりサンダイコー名物「合格どら焼き」が、3位の小嶋には「酢こんぶ」が贈られた。さて、恒例のちばあつこ賞は、ちばあつこ不在ながらも一任されたしなもんもんによって、今回「おお、ドロミテ!」「ああ、バードよ(空飛ぶ鳥の群を見てつぶやきマドモを驚愕させた)」など数々の名言を吐きオフィシャルカーをかつてないシュールな雰囲気に陥れたレースマニア・壇上の手に輝いた(賞品は「なんちゃってゴディバ(中身はしずやのお菓子ふた切れ)」。そして壇上その人から、今回、苦痛から這い出し見事レース出場を果たした平田に「壇上賞」(ジロで配布される超レア物コミュニケ)が贈られた。めでたし、めでたし!

 さて、次回2/27は冬季最終戦だ(あくまで冬季の最終よ)。スタート時間が早くなるので注意!遠くは信州安曇野からエキップあづみので活躍中の榊間選手もエントリーする予定だ。多くの参加を待ってるぜぃ!夜は岡崎邸でうちあげおなべもあるよん、ではさいなら!(岡崎れい子)