OTHER RACES 1999

第5戦 2月27日

~第5戦~
開催日 2月20日(土)
開催地京北町周辺 A+B+A コース
スタート時の天候 雨! めちゃさむ
出走者9名 完走者8名

第5回記念大会は豪華けんらん!

いよいよ冬季最終戦!1月30日から始まった周山ロードは早くも第5回記念大会を迎えた。この日、優勝賞品には常連選手で唯一のサラリーマン=中西選手の勤めるサンフーズからサントリー・BOSSスタジアムジャンパーが、2位にはちばあつこからひなあられが、そして2位から4位までには中島選手(京大競技部)がバイトするダイナソアからバインダーが、5位・6位にはちばあつこよりどら焼き1ヶが、さらにさーらに1回目の山岳ポイントを取った選手にマニア・壇上から「リュック・ルブランのサイン入りキャップ」が贈られることになり、‘ふぃふすあにう゛ぁーさりー’にふさわしい華やかな大会となった。ほんま、この参加人数でこんなに豪華なんて、すごいっす。みなさんありがとううう!(オーガナイザーより謝辞)

 さて、この日のエントリーは9名。スタート前ひそかに熱い闘いが繰り広げられているサインシート上でのエースナンバー争奪戦(注:選手は受付の際、好きなゼッケン番号を選べる)だが、今回はいつも金払いの悪い高橋がスンナリと最初に支払いを済ませて1番を奪取!毎回名前にちなんで15番をゲットする東後がこの日は松村に奪われ「ええーん」と泣きじゃくる場面も。しかしなんで矢澤はいっつも14番なんやろ。ま、それはさておき今回は京大競技部から東後、小嶋、そして2回生・山本が初参加、サイクリング部から松村、高橋、矢澤に加え第1回大会でスタート3kmで足つり欠場した篠塚がカムバック!そしてエキップ・あづみのから今回は中島が前日の宴会疲れで臨時ドライバーに転職し「なぁなぁコンビ」は決裂し中西が取り残され、かわりに安曇野から榊間が初参加。榊間は関西クロス最終戦カテ2で3位入賞を果たした中堅どころだが、雪で練習できない信州からの出場ということでちょっと不安気だ。2時3分、強風と氷雨のそぼふる過酷なコンディションのなか選手団はスタートした。タイツとソックスを忘れた東後のナマアシが寒い。

高橋、山本先行!しかし「壇上賞」は東後が貫禄でゲット

 今回はA-B-Aの変則コース。スタート後、井戸峠までは集団走行が続く。2時17分、井戸峠に突入した9名から高橋、山本が先行!東後がひたひたと後ろにせまり再び集団に戻ったその瞬間、今度は高橋が仕掛ける。ここで集団はばらけ、高橋、東後、中西、山本、矢澤の5名が先行、篠塚、松村、小嶋が後を追う。後方では榊間がスローダウンしてしまう。そしてルブランキャップがかかった1回目のキングオブマウンテンは東後がトップ通過。続いて矢澤、中西が東後に追いすがり、後に下りで3名の逃げが確定的となる。そして遅れた榊間をのぞく高橋、松村、小嶋、山本、篠塚の5名が追走グループを形成し、レースは逃げる先行3名と追う後方5名による形相となった。

 スタートから45分、Bコース477号峠へのひたすら続く平坦路で東後、中西、矢澤が快調にペースをあげる。矢澤の表情に苦悶が見え隠れする。実業団に所属し各地の大会で錬磨するベテラン2名に必死でくらいつく矢澤は弱冠1回生、大健闘の走りだ。前回優勝した西村同様、この周山ロードで急成長の一途をたどっているが、やはり東後、中西のペースに最後までついてゆくには力不足か。477号峠に突入し、オフィシャルカーからの激励もむなしく遂に矢澤が遅れる。

東後、中西の一騎打ち!矢澤、健闘の走り

 477号峠山頂。やはり峠は東後が狙ってくる。東後、中西、そして遅れた矢澤は10秒差。3名を追うセカンドグループの5名とのタイム差はいかに?矢澤通過から待つこと2分5秒。高橋が先行しながらようやく5名がポイント通過する。どうやら集団で3名を追走するも先行の2名とは力の差が歴然のようだ。ポイント通過した5名にドライバー中島が「矢澤が遅れた!」と告げる、と、矢澤のライバルで同回生の小嶋の耳がピクリと反応!どうやら焦点は遅れた矢澤が5名に吸収されるか否かに絞りこまれたようだ。しかし、一旦切れた矢澤が井戸峠からの下りで再度トップ2名に追いついた!意地の走りである。スタート後、雨はあがり一時は晴れ間が広がったが、今度は刺すような寒さと共に吹雪が選手を襲う。狭間峠の5名の後方集団では高橋が果敢に攻めている。インプレッサ後部座席をオープンにしてカメラマン・近藤とたわむれる壇上が、吹雪と湯気を上げる選手達を凝視し「フランドル地方みたいや!」(注:フランドルは春先の欧州クラシックレースの舞台)とうめく。スタートから1時間10分が経過。A-B-Aの変則コースのラスト、Aコースへ差し掛かった。ここで先ほど東後、中西に追い付いた矢澤が再び2名に引き離される!しかし矢澤、よく頑張った。そして遂にトップ争いは東後と中西の2名に絞り込まれた。前々回は岡崎和也(EZAKソレイユ)に勝利を奪われ、前回は後輩・西村を勝利に導いた東後。今回は容赦ない走りで中西をねじ伏せ王者の座を奪うのか。家族を支え、サラリーマンとして昼夜働きながらもトレーニングに励み調子を上げる中西が東後から勝利をもぎ取るのか。さらに2名から遅れ5名に追われるサンドイッチ状態の矢澤も辛い独走ながらなかなかペースを落とさない。ちぎれた後の走りとはいえかなりの精神力で自分を追い込んでいる。レースは俄然おもしろくなってきた。

「ああ、スタジャン…」中西、東後にしてやられる

最後の山岳ポイント、井戸峠へ突入。東後と中西の2名によるトップ争いはいよいよ熾烈になってきた。これまでポーカーフェイスをなかなか崩さなかった東後が顔をゆがめて走っている。両者ぎりぎりの攻防が中腹まで続くが、遂に東後が底力を発揮!中西を振り切ってスパート、苦しい中西、徐々に東後との距離が開き始める。「ああ、スタジャンが…」と追いすがるフリをするあたり社会人っぽいパフォーマンスだが、ここまでの闘いは本当に見応えたっぷりだった。その後はフィニッシュポイントをこの井戸峠とまちがえて一旦停止するなど踏んだりけったりの中西だったが、素晴らしい走りを見せてくれた。

 さあ、東後の勝利への独走が始まった!この厳寒のなかナマアシというハンディを乗り越え最後までペースを落とさずひたすらサンダイコーへ突き進む。ゴール後「平坦では中西さんがグイグイ引いていたのが心残り」と振り返ってはいたが、やはりタフなクライマーぶりはチャンピオンにふさわしい。狭間峠のフィニッシュラインを切った瞬間の笑顔が印象的だった。タイム・1時間28分27秒。それから遅れること2分12秒、フィニッシュめざしてとびこんできたのは中西、矢澤の2名!スプリント合戦で中西が2位をゲット。「いやぁ、コースミスしないか不安で矢澤くんを待ったんです」そうだったんだーお疲れさまでしたあ。そして2位・3位のフィニッシュから3分24秒。トップの東後から7分28秒の遅れで小嶋、続いて高橋、松村、篠塚、山本がばらばらとレースを終える。残念ながら1周目で遅れをとった榊間はまいごリタイヤを喫した。こうして第5戦は、レースリーダー東後がリーダージャージを守りきって冬季戦の幕を下ろした。(岡崎れい子)

【冬季戦を終えて】オーガナイザー近藤より

冬季戦というのは打ち上げ飲み会をするために作ったただの区分なので特に感慨はありません。
 これからも草レースのレース数を越え、3 day race くまのの日数を超え、ツール・ド・おきなわの距離を超え、ツール・ド・北海道の厳しさを越えて、皆様が日本一イッちゃった集団となるよう頑張っていきたいと思います。